AI時代 × 人生100年 | 第3次AIブームによる産業への影響を知る

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◆第3次AIブームが到来
2012年頃から再燃した人工知能、AI(Artificial Inteligence)ブームは、2017年に入っても一向にその勢いが衰えません。ロボット、ビッグデータ、IOT(Internet of Things)、自動運転などの関連キーワードとともに、むしろ、質、量ともにますます話題沸騰、ブームが加速しているかに感じられます。

◆人工知能って何?

人工知能についてもっと理解を深められる本を探していたらこんな本に出会った。人工知能の核心と現実に迫ることができた。

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【書評】人工知能は人間を超えるか ー ディープラーニングの先にあるもの(著者 松尾 豊)

◆変わりゆく世界 ー 産業・社会への影響
第3次AIブームを迎えている人工知能はこの先、私たちの生活にどのような影響をもたらすだろうか。図はディープラーニング以後の人工知能の発達と、それによる影響を受ける産業をまとめた未来予想図だ。

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「人工知能は人間を超えるか ー ディープラーニングの先にあるもの」より引用 著者 松尾豊氏

①広告、画像診断、ネット企業
ディープラーニングによって画像認識の精度が向上すると。従来のマス向けの画一的な広告から。個人の趣味嗜好に応じたターゲティング広告が一般化する。また、レントゲンやCTなどの画像を元にした診断を自動で下せんるようになる。さらに現在、機械学習を活用している検索、ソーシャルネットワークなどのインターネット関連企業は真っ先に影響を受ける。まさに現在の私たちが経験しつつあることだ。

②ロボット、防犯、ビッグデータ活用企業
今後数年のうちに、音声や手触り感など、マルチモーダルな認識精度が劇的に向上することが見込まれる。そうなると、ソフトバンクが2014年に発表した人型ロボット「ペッパー」のように、人間の感情を認識して定型のコミュニケーションをしたり、店舗内で接客したりするロボットが普及する可能性がある。
また動画認識精度が向上することで、街中に張り巡らされた防犯カメラによる防犯システムが構築され、犯罪検挙率が向上するかもしれない。
様々なビッグデータの特性に合わせて、特徴量がうまく生成されるようになるのもこの段階。今、ビッグデータ活用を進めている各企業がさらに競争力を伸ばすだろう。

③自動車メーカー、交通、物流、農業
周囲を観察するだけだった人工知能が、自分の行為の結果、周囲にどんな影響が出るか認識できるようになると、ロボットのプランニング(行動計画)の精度が上がる。その結果、自動運転技術が実用化され、商品を消費者に届けるラストワンマイルはドローンが担うかもしれない。
農業の自動化を含め、主に身体を動かす労働の分野で人間の代わりに働くロボットが普及するだろう。人間がが何らかの判断を担い、コントロールしている分野。

④家事、医療・介護、受付・コールセンター
行動に基づく抽象化ができるようになると、ロボットが「人間の手を強く握ると、人間は痛いと感じる」といったことを理解するようになる。その結果、活動範囲が、対人的なサービスにまで広がる。例えば、家事、医療・介護などの分野にロボットが進出してくる。
また、感情をコントロールするようになれば、受付やコールセンター業務も人工知能が行うことが可能かもしれない。

⑤通訳・翻訳、グローバル化
人類が持っている「概念」のかなりの部分を獲得した人工知能は、それぞれの概念にふさわしい「言葉(記号表記)」を割り当てることで言葉を理解するようになる。
同時に、機械翻訳も実用的なレベルに達するため、「翻訳」や「外国語学習」そのものがなくなるかもしれない。
言葉の壁がなくなれば、これまで以上に、ビジネスのグローバル化が進むだろう。

⑥教育、秘書、ホワイトカラー支援
人間の「言葉」を理解できるようになると、人類が過去に蓄積してきた知識を人工知能に吸収させることができる。その結果、人工知能の活動範囲は人間の知的労働の分野にも広がっていくはずだ。

◆じわじわ広がる人工知能の影響
こうした変化は、いっぺんに起こるわけではない。まず研究開発が先行し、ニュースが広がり、遅れてビジネスに展開される。

◆労働環境の変化はすでに始まっている
第3次AIブームが、ブームで終わらなければ、社会の様々なところで人工知能が活用される。場合によっては、人に代わって人工知能が行う仕事が出てくる。
第3次AIブームがブームで終わるか注視する必要がある。


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