AI時代 × 人生100年 | 新しい時間の使い方 自分のリ・クリエーション

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時間の使い方は社会が決める

●労働時間は減っても「時間貧乏」

1日8時間労働がほとんどの人に当たり前になったのは、ようやく20世紀の初頭から半ばにかけてのことだ。

多くの人は、自分が「時間貧乏」だと感じ、時間に追われるようになる一方だと思っている。

それにしても、労働時間が減っているのに、どうして多くの人が時間貧乏だと感じているのか?

●「ダウントン・アビー」効果

有閑階級の暮らしぶりは、テレビドラマ「ダウントン・アビー」を見ればよくわかる。

しかし、1990年代頃、貧困層・低スキル層と富裕層・高スキル層の労働時間が完全に逆転する。しかも、賃金の高い人ほど、労働時間が長くなる傾向がある。

賃金が上昇すると、余暇の(言い換えれば、働かないことの)コストが高まる。労働時間を減らすことの代償は、減った労働時間分の所得が減ることだ。賃金の高い人ほど、労働時間を減らした時の所得減が大きい。だから、高所得者は長時間働くことを選択する。

いずれにせよ、ほかの条件が同じなら、仕事の満足度が高い人ほど、長時間働いてもいいと感じる。

●余暇時間と空き時間

いま、ほとんどの人は20世紀初めに比べて自由に使える時間を多く持っている。それでも、多くの人が時間貧乏だと感じるのは、自由に使える時間が足りないからではなく、「空き時間」が足りないからだ。

100年ライフの時間配分

●労働時間を減らして、休暇を増やす

1週間をどのように構成するかは、時代とともに変わってきた。今後、労働時間が減り続けば、1週間の仕事時間の構成の仕方も変わる可能性が高い。

仕事をするには、時間の「固定費」がかかる。1日の労働時間を減らすより、休日を増やし、勤務時の労働時間を長くする方が賢明かもしれない。

●個人と企業の衝突

スキルを新しく習得し、活力を取り戻すための時間を勤労人生に取り入れるのに伴い、社会で多くの実験が行われる。その過程で、企業の時間に対する姿勢への逆風が強まっていく。

柔軟な働き方を求める個人のニーズが高まれば、全員を同じスケジュールで長時間働かせたい企業のニーズとの間で激しい衝突が起こる。企業の発想と手法は大きな変化を迫られる。

●時間の構成に関する多様性が増す

3ステージの人生に代わり、マルチステージの人生が標準になれば、人生で経験するステージの多様性が増す。それに伴い、時間の配分方法に関するニーズも多様化する。

●高スキルの職には5・0シナリオが理にかなう

高スキルの職に就く人は5・0シナリオを実践する方が理にかなっている。企業で過酷な仕事に従事する二つの期間の前後に移行期間を儲ける。この時期に、無形の資産を築くことに専念する。

新しい余暇の過ごし方

●レクレーションとり・クリエーション

時間の構成だけでなく、時間の使い方、特に余暇時間の使い方も変わる。100年ライフでは、家族と友人、スキルと知識、健康と活力などの無形の資産を充実させることが重要で、そのための投資が必要になる。長い人生を生きる人には、とりわけ教育への投資が不可欠だ。

●ホスト工業化時代の「時間」

産業革命は、時間の構成を劇的に変えた。これから訪れる新しい時代は、それに輪をかけて大きな変化をもたらす。


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