AI時代 × 仕事 | 【書評】機械との競争 第2章 チェス盤の残り半分にさしかかった技術と人間

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先行するコンピュータ

2010年10月、グーグルは完全自動運転車でアメリカの道路を1600キロ走破した。
かつてSFの世界だけと思っていた世界が今や、数年で実現しようとしている。

チェス盤の残り半分とは

奇妙なタイトルについて説明しておく。
チェス盤を発明した男が、王様からの褒美として、米を最初のマス目に1粒、二番目に2粒と前のマス目の倍のコメを置いていき、その合計を所望した。
ただ、その通りに米を置いていくと2の64乗マイナス1粒になり、途方も無い数になる。
これは、コンピュータの性能が18ヶ月毎に2倍になるというムーアの法則のたとえである。コンピュータが発明されて50年が経ち、たとえでいうと現代はチェス盤の半分まできたことになる。
また、我々は自分が思っているほどには、コンピュータのことをわかっていない。

ムーアの法則とチェス盤の残り半分

SFの世界がこれほどの短期間で現実のことになったのは、ムーアの法則のせいだ。
ムーアの法則の凄さは、カーツワイルが「スピリチュアル・マシーン」(翔泳社)で紹介している。
1958年をIT元年とすると、32マス目に到達した年は2006年になる。

汎用技術の経済効果

汎用技術とは、通常の経済発展を加速(阻害)させるような、きわめて影響力の強い一握りの技術革新のことである。蒸気機関、電気、内燃機関などが汎用技術に該当する。
そして、コンピュータは、現代における汎用技術である。とりわけ、ネットワークと結びついた「情報通信技術(ICT)」は強力な汎用技術だ。
情報通信技術で可能になったイノベーションが、製造、流通、販売、メディア、金融、法律、医療、研究、経営、マーケティングなどの、あらゆる分野、企業の機能を変えつつある。

人間がまだ勝っている分野は

私たちはチェス盤の残り半分に歩みを進めており、コンピュータは急速に「直感」「パターン認識」の能力を獲得しつつある。
今のところ、コンピュータには問題解決能力がない。また、創造性となるとほとんど能がない。
ただ、コンピュータには不可能と言われていたことについて、予想外の能力を発揮し始めている。


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